言葉を紡ぐ日々

一生懸命、人生を楽しむ主婦いりのの気になること、好きなこと。がん治療のことや、たまにお役立ち情報なんかも書いてゆきます

卵巣がん日記 その⑤~~初めての抗がん剤治療へ

がん治療と切っても切れない「抗がん剤治療」

私はがんの進行度は低いのに、この抗がん剤がトラブル続きでした。

 

あのときは本当に大変だったなぁと、今でも思います。

がん治療で本当に大変なのは、手術ではなく抗がん剤だと知る

退院まで順調だったのに、突然いりのに立ち塞がった大きな障害

卵巣がんのステージは「Ⅰc2期」と判明

がん治療で避けて通れないと思われるのが、抗がん剤治療。

ですが私は、発見が早期で、部位によっては抗がん剤使用が無い場合もあることを、今回の治療で知りました。

 

抗がん剤治療の有無は、がんの進行度によって決まります。

 

ご存じの方は多いと思いますが……

がんのステージは0~Ⅳ期まで分類されており、さらに各ステージごとに細かく分類されています。

このステージが、がんの進行度です。

その進行度は、

  • がんがどれくらいの大きさになっているのか
  • 周辺リンパ節への転移はあるのか
  • 他の臓器や器官に転移していないか(遠隔転移)

以上、3つの要素から判断されています。

これは「TMN分類」と呼ばれていますが、私たち患者には、こんなふうに告げられることは、まずありません。

 

実は手術前から退院まで、正確ながんのステージがわからない状態でした。

ですが手術前の診察で、ステージは告げられます。

 

私の場合は「Ⅰ期(Ⅰc)」と言われました。

ただし、それはあくまで予測の範囲の話です。

CT等の検査で診断した範囲での予測という形で、さらに医師の経験則から告げられる言葉。

 

手術をしたことで、開腹した医師が視診・触診し、「卵巣がんである」ということがわかっても、正確なステージは病理検査に任せないと出てこない。

そして、その病理検査は時間がかかるとも言われました。

「2~3週間はかかります」と言われたと記憶しています。

 

正確なステージを告げられたのは、退院して10日後の診察日でした。

「ステージⅠc2期」

 

手術前に告げられていたステージと変化がなかったので、ちょっとホッとしました。

 

お腹を開けてみたら、予想以上に腫瘍の状態が重かった(もしくは軽かった)

また病理検査してみたら、さらに重かった(もしくは軽かった)……。

 

そういうことは、よくあるのだそうです。

だから担当医も軽々しく断言できない。

そして患者は悶々として待つしかない。

 

そしてがん治療は、手術を終え、ステージが明確になったところで終了ではありません。

そこで終了することもありますが、大半の患者は次のステップ――抗がん剤治療へと進みます。

 

私はこの日、抗がん剤治療の説明を受けた後、同意書にサイン。

その後、2階にある通院治療室へ行き、事前に説明を受けて、その日の予定はすべて終了となりました。

抗がん剤治療の前にはやることがいっぱい

1週間後、私は病院を訪れました。

その前に、先週の診察時に、事前に処方された薬があったので、朝食後に飲みました。

 

アプレピタント。吐き気止めです。

2種類ありますが同じ薬です。

80mg125mgで、容量が違います。

投与前に服用する薬と、その後に飲むものです。

薬には抗がん剤投与1時間前とか書いてありますが、食後でも問題ないそうです。

 

そして、抗がん剤は点滴薬と飲み薬がありますが、私が使用したのは点滴薬を2種類。

また「抗がん治療は通院で行います」と告げられたため、治療が終了すれば帰宅できる流れです。

 

とはいえ、通院治療で抗がん剤を点滴で受けるためには、いくつかのステップがあります。

  1. 抗がん剤の投与が可能な状態かを調べるため、まずは採血⇒検査
  2. 血液検査の結果が出てから、婦人科で診察
  3. 問題がなければ、その場で担当医から治療のGOサインが出る
  4. 担当医が薬剤部へ連絡し、薬剤師が調薬開始
  5. 治療室へ移動し、点滴開始。

何事もなければ、点滴を終えて帰宅可能となります。

 

採血⇒診察⇒抗がん薬投与

この流れだけで、私の場合は4~5時間くらいかかるかなという感じです。

 

この日、担当医からGOサインをもらったので、4階の婦人科から2階の通院治療室へ移動。

カーテンで個別に遮られた空間内に、リクライニングチェアやベッド置かれてあります。

 

宿泊するわけではないので、必要最低限のものしか置いてありません。

そのため空間こそ狭いですが、わりとゆったりと点滴などの治療を受けられる印象でした。

 

私はこの日、ベッドへ通されました。

 

まずは看護師が体温・血圧などを計ります。

その間に、通院治療室に常駐している医師が、点滴の針を刺します。

普通の点滴であれば看護師でも良いようですが、抗がん剤治療は医師が針を通さないといけないそうです。

(※他の病院はわかりませんが、私が治療を受けた大学病院ではそうでした)

 

それらが終了すると、薬剤師から投与する薬について、簡単な説明がありました。

  • ラニセトロン  吐き気止め(※同時投与 30分)
  • デキサート    吐き気止め(※同時投与 30分)

吐き気止めを2本同時に投与。

時間にして、およそ30分

  • ドセタキセル   抗がん薬(※60分)
  • カルボプラチン  抗がん薬(※60分)

吐き気止めの点滴が終了したら、ドセタキセルを投与。

ドセタキセルが終了したら、カルボプラチンを投与。

 

翌日から、渡された用紙に書かれてある症状が徐々に出始める(かもしれない)。

特に2回目の投与からは白血球や赤血球等が減りますので、生ものを控え、ケガなどしないように日々注意して過ごしてください。

 

もし帰宅してから重い症状が出るようでしたら、夜中だろうと時間は関係なく、すぐに病院へ連絡するようにしてください。

また、この投与中でも違和感を覚えたら、すぐに看護師へ言ってくださいね……云々。

 

説明も終了し、いよいよ点滴開始です。

はじめてのアナフィラキシー反応

抗がん剤でアレルギー反応が出るとは予想もしていなかった……

看護師から吐き気止めの点滴薬を見せてもらい、薬に自分の名前が書いてあることを確認してから、点滴開始。

(※理由はわかりませんが、点滴を始める前には必ず点滴薬に記載された氏名を確認していました。吐き気止めはともかく、抗がん剤は間違えると大変なことになるので、そうしているのだと思います)

 

30分後、特に問題なく吐き気止めの点滴が終了。

続けて、抗がん薬「ドセタキセル」の投与を開始。

抗がん剤は初めてということもあり、看護師だけでなく医師も傍についてくださいました。

キチンと点滴が体内に入っていることを確認したら、医師は離れました。

 

吐き気止めのとき、看護師は投与した後はベッドから離れました。

ですが、抗がん剤の場合は違います。

異変が起こっても即時対処できるように、看護師が15分間は必ず傍にいるようです。

 

私としては特に不安はなく、漠然と「大丈夫だろ♪」のノリで点滴を受けて数分後。

時間にして3分も経ってないと思います。

 

突然、胃のあたりから駆け上がってくるような、苦しさがこみ上げてきました。

 

「え?ええ? なにこれ?」

「どうしましたか?」

「な……何かが、こう……こみ上げてきて、胸……苦しいです……!」

 

それから、急に呼吸ができなくなりました。

「アレルギー反応出ました!」

 

看護師が大声で告げながら、点滴を止めていました。

医師も飛んで来て、何やら的確に指示を出している様子。

カーテンの外でバタバタと人が動く気配がし、点滴が素早く入れ替えられました。

 

医師「アレルギーが出たみたいなんで、今からアレルギーを○○……。そのために○○○……点滴で……○○○○……」

息苦しさのせいか、医師の説明の最後のほう、ほとんど聞こえず。

聞こえなくても、とりあえず頷く私。

 

医師「いりのさん、他に吐き気とか苦しいところはないですか? 答えられますか?」

私「☆★☆★☆」

自分なりに何とか答えているつもりでしたが、呼吸ができにくいために言葉にならず。

私(や、ヤバい……胸が苦しすぎて、意識がもうろうとする……。こ、呼吸が……)

 

看護師「いりのさーん。もう大丈夫ですからね、落ち着いてくださいね~」

医師「酸素吸入器、用意して。顔、かなり赤いな。担当医は誰? すぐに連絡して」

看護師「はい」

 

聞こえるときと聞こえないときがありましたが、こんな感じのやり取りがありました。

その後、担当医から返事があり、落ち着いたら婦人科のほうへ戻って欲しいとのこと。

 

酸素吸入器で酸素を注入し、点滴でアレルギーを消している間に何とか症状が落ち着いてきました。

その頃には担当医からの返答があり、車椅子に乗って4階の婦人科へ移動。

 

担当医が通院治療室(2階)へ下りてくるか、私が婦人科(4階)へ上がるかを迷われていたようです。

ですが、受診患者が多かったためか、担当医が下りてくることはできませんでした。

 

4階に上がったとき、まだアレルギー処置のための点滴は、まだ私に付いてきていました。

 

このアレルギーを抑える点滴薬を受けると、眠くなるという話は後で知りましたが……

その薬のせいで、私は小一時間ほど眠ってしまったようです。

 

別室のベッドに横になったら、意識が遠のきました。

旦那と一緒に次の抗がん剤治療の説明を聞く

寝る前にLINEでhiroさんに連絡したいたこともあり、「ご主人が迎えに来ましたよ~」の声で起こされました。

心配して、会社を早退して来てくれたようです(/´△`\)ゴメンネ

 

その後、hiroさんと一緒に担当医から説明を聞くことに。

1週間後、別の抗がん剤を使用して治療しましょうという話になり、再び同意書にサイン。

 

アレルギー反応のしんどさが体から抜けきっていなかったせいか、ボールペンを握る手に力が入らない。

担当医が代理でも大丈夫と言ってくれたので、hiroさんにサインをお願いしました。

 

急性のアレルギー反応が、こんなに大変なものとは思ってもいませんでした。

これが世に言いう「アナフィラキシー反応」というのですね……

 

本当に、これは対応が遅かったり間違ったりしたら確実に死ぬだろうなと、強く感じました。

がんを治すために治療しているのに、その薬で急死するとか、マジで勘弁して欲しい展開です……_(º﹃º_)⌒)_

 

治療後でも、まともに歩ける状態ではなく、車に乗るまでは、すべて車椅子で移動でした……。

 

しかも体が疲れ切っているのか、まともに食事もできず、とにかく眠くて19時には就寝。

以降、2度ほどトイレで起床しましたが、朝までずっと寝てしまいました。

 

当然、翌日も元気に起き上がるなどできるはずもなく……

2~3日は寝たり起きたりの状態が続きました。

また、抗がん剤のせいかアレルギー中和薬のせいなのか、ひどい便秘になりトイレで苦しみました。

 

アレルギー反応って怖い。

抗がん剤って大変なんだな。

 

これからの治療に一抹の不安を覚える事件となりました。

そして、その予感は的中します。

 

これからの治療については、また体調が良いときに書きたいと思います。

 

最後までお読みくださいまして、ありがとうございました<(_ _)>