言葉を紡ぐ日々

一生懸命、人生を楽しむ主婦いりのの気になること、好きなこと。がん治療のことや、たまにお役立ち情報なんかも書いてゆきます

卵巣がん日記 その③~~術後から治療へ

あのときの私はどうしていたのだろうか。

そんなことを思いつつ、記録的に書いています。

 

ちょうど1年前のことなんだなぁ……

開腹手術後から退院まで~~とにかくすべてが苦しかった

最初の苦しみは、おそらく様々な要因からくる嘔吐

前回の日記で、背中から麻酔を入れる準備をしたと書きました。

roshiatehamother413951.hatenablog.com

硬膜外麻酔ですね。

硬膜外麻酔とは、脊椎(背骨)の中にある脊髄のすぐ近くの硬膜外腔という場所に、 麻酔薬をいれて、手術部位の痛みを無くす、あるいは軽くする麻酔法です。

手術をする所に合わせて、背中のどこから麻酔薬をいれるかを決め、カテーテルという細い管をいれます。

このカテーテルから麻酔薬をいれて麻酔を行います。

公益社団法人 日本麻酔科学会 公式サイトより、抜粋

そして体感してわかったのですが、この麻酔がけっこう強いお薬だったようです。

常に気分が悪くなって吐いてばかりいました。

では、なぜそんな強い痛み止めの薬剤を使用しているのか?

 

それは、

強い痛み止めでもバンバン使用し、できるだけ早く離床してもらう。

……という考えに基づいてのことだそうです。

 

病院や患者の保険に関する諸事情、医師や看護師の過重労働なども視野に入っているのかな?

……などと最初は思いましたが、病室でがん関連の書籍をいくつか読んでいるうちに違うとわかりました。

 

痛み止めを使用し、少しでも体を動かすことによって筋力を戻してゆく。

そして病院側は入院から14日間で退院させようとしているようです。

そのほうが患者のためになる、ということなのでしょう。

 

昔は

「あまり痛み止めは使用しないほうが良い」

とか、

「術後は動かないほうが良い」

……などと言われていました。

 

今の考え方は真逆ですね。

なので私も手術の翌日には、電動ベッドで頭部分を上げて、体を起こされました。

 

若い女の子がやってくれたのですが、いきなり起こされたので手術痕から激痛が。

思わず大声で「痛い!痛い!」と叫んでしまいました。

 

これも後から気づきましたが、服装から看護師の研修生だったんじゃないかなと思います。

私が怒るように叫んだことで、かなりビビッていましたし。

これが慣れた看護師さんなら、うまく流すと思うんですが、失敗したと思ったのがとても怖がっていました。

 

ごめんね、看護師の卵ちゃん。

でもね。

いりのはマジで腹が裂けるかと思ったんだよ……_| ̄|○

 

痛み止めがキツいせいか、かなり吐き続けていました。

あまりに吐いてしまうので、術後2日目にしていったん麻酔を止めてもらいましたが、手術痕の痛みがあまりに強すぎて、2時間も経たずに再開してもらいました。

 

手術痕って、こんなに痛いんですね……

強い麻酔薬は食べ物の味さえ変える

5月8日(日)からは流動食が出てきましたが、ほとんど食べられませんでした。

食べ物があっても、食べたいと思わないのです。

立ち上がることはおろか、体を起こそうと思っても自由に起きられません。

 

流動食も口に入れられないし、水や麦茶も飲めない。

これはかなりキツい。

 

でも食べないと元気になれないので、無理してでも食べる。

すると、必ず吐いてしまう。

お茶でも同様で、なんとか口にできるのが水でした。

 

さらに困ったことに、飲食物すべての味が、これまで感じていたものではなくなっているんです^^;

だから最初は、「ものすごい濃い味付けの料理を出す病院なんだな~」と思って口に入れてました。

でも、よくよく考えたら病院食がそんなに濃い味付けであるはずがありません。

 

さらに過去に同じ病院へ入院した経験があり、そんなに濃い味付けでもなかったことを思い出したら、

「あぁ、これって背中の麻酔薬のせいか」

と、なんとか気づけました。

かなり強い痛み止めの薬らしいのですが(服用期間が決まっているほどの強さです)、その作用だけで味がこうも変わるものかと驚かされました。

 

とはいえ、わかったからといって吐き気が止まるわけではないんです。

しばらくの間、私は吐き気と闘いながら、食べることとも戦っていました。

 

そんな絶不調の入院期間の合間に、がんから派生するであろう病気の診察を受けることとなりました。

 

なんでも、がん患者は血栓ができやすいそうです。

なので、総合内科の血栓専門医師に診察。

先にエコーで画像を撮った結果、やはり血栓はあるそうで、簡単な運動を教えてもらい、できるだけ実践するようにと告げられました。

 

血栓は場所によってさまざまな病気を引き起こす、怖い症状です。

ネットで調べたらさらに怖くなってしまい、ベッドに座れたときだけ、地味に足首を動かす運動をしていました。

やっと背中の麻酔が取れた!

麻酔がなくなったのは、手術から4日後の10日(月)。

ベッド上なら自力で起き上がれるようにはなりましたが、まだ立つことはできませんでした。

でも、この日は尿道カテーテル以外の管がほとんど取れました。

 

麻酔が無くなっても吐くことは止まらず。

そして手術傷の痛みが治まることもなく。

 

痛み止めの点滴、2種類ほどを、決められた時間感覚を守って投与。

強い薬はだいたい時間を空けて飲んだり、点滴をしたりすることが当然のようなので、痛み止めが切れたときが地獄でした(T_T)

 

痛みで何度も目覚めてしまい、ナースコールを押したのを覚えています。

5月12日には抗生剤と痛み止めの点滴が錠剤に変わりました。

痛みが起こるたびに起床して服用。

とはいえ、薬も4時間ごとと決められているので、その時間が来るまでは起きても服用できません。

入院中は……いえ、退院しても、この痛みによる苦しみはしばらく続き、数時間ごとに起きていました。

 

とはいえ、傷による痛みは日にち薬のような部分もあります。

なので、痛みも薄皮を剥ぐようにではありますが軽減されていました。

薬を飲むための待ち時間も、慣れもあるのでしょうが、次第に耐えられるようにもなっていましたしね^^

 

本当の意味で大変だったのは、手術による体内への影響でした。

お腹の中を触ることが、こんなに大変な思いをすることだったとは……

 

長くなりましたので、続きは次回に書くことにします。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました<(_ _)>