入院当時に記録していた手帳を頼りに書いている、卵巣がん日記
使用している写真は2022年の入院時に撮影したものに、free素材も使用しています。
体調が悪すぎて撮り忘れたものもたくさんありますし、レントゲンなどは普通に撮影できませんので。
どれがfree素材かとまでは記載していませんが、ご理解いただけると助かります。
よろしくお願いいたします<(_ _)>
手術痕の痛みよりも怖いものへの治療へ移行
次に苦しめられたのは、腸閉塞(イレウス)寸前までいった腸の動きの鈍さ
背中の麻酔を止めても吐いてしまうのは、医師から腸の動きが弱くなっていると告げられました。
腸閉塞(イレウス)の疑いがあると。
今回の手術で腫瘍、両方の卵巣、子宮、リンパ節を切除する際に、腸をたくさん動かしました。
そうしたことで、腸がビックリして動きを止めてしまうことがあるのだそうです。
休む、と言うほうが正しいのかな?
大きな手術をすると、よくあることらしいです。
ただ、よくあることだと言っても、腸閉塞が体にとって危険な症状であることには変わりなく……
腸閉塞(イレウス)は異物や炎症、腫瘍などにより腸管が塞がれた状態(機械的イレウス)、あるいは開腹手術などで腸管が麻痺(まひ)(拡張)して腸の蠕動運動が障害された状態(麻痺性イレウス)を指します。
日本では従来、腸閉塞とイレウスは同じ病態として捉えられてきましたが、腸閉塞は腸管の閉塞、イレウスは腸管の麻痺、と区別されることもあります※1。
イレウスになると、消化物が腸内をスムーズに移動できなくなり、閉塞部位より上部(口側)に多量の消化物がたまります。
そのため便やガスが腸内に充満して、腹痛や嘔吐などさまざまな症状が起こります。
治療の基本は絶食と補液ですが、保存療法でも症状が改善しない場合や血行障害のある場合は手術が必要となるものもあります。
絞扼性(こうやくせい)イレウスでは腸管壁の血管が圧迫されて血行障害が起こることで、出血や潰瘍、穿孔(せんこう)、腹膜炎などが生じ、死につながるリスクもあるため早期の治療が必要になります。
※1 急性腹症診療ガイドライン出版委員会 編. 急性腹症診療ガイドライン2015. 医学書院, 東京, 2015
腸閉塞(イレウス)~お腹の健康ドットコムより抜粋~
私の場合、食べるたびに吐くので、13日(金)にレントゲン撮影の指示が出ました。
結果、腸が止まる一歩手前とのこと。
腸の動きを戻すため、今度は絶食の指示。
さらに、カロリー摂取のための点滴を投与することとなりました。
この点滴は1袋で400キロカロリー摂取できるとのこと。
浸透圧などの関係で、400キロカロリーという数値が、人間が血管から栄養を接種できる限界なのだと薬剤師さんから教えてもらいました。
そのため、高カロリーであっても点滴だけだと痩せていくそうです。
ちなみに水分補給もされているのか、あまり水を飲まなくても何回もトイレに行きたくなりました。
ただ、この方法には問題がありました。
食べ物のニオイです。
コロナが蔓延する前は、動ける患者は食堂へ移動し、各自配膳台からトレイを取って食べていた、この病院。
ですがコロナ禍に入ってから、食事はベッドで食べる方法に変わっていました。
コレ、けっこう厳しいです(^◇^;)
ニオイで気分が悪くなるのに、美味しそうにも感じるというか……
体は固体としての食べ物を欲しているんでしょうね。
カロリーを点滴で投与されているため倒れることはないのですが、なんというか……軽い拷問のような気分(笑´∀`)
コロナ禍で食堂は閉鎖されているため、ニオイから逃げるために病棟のトークルームへ移動していました。
腸を動かす漢方薬と運動(廊下を歩き回るだけですが)でなんとか腸を動かそうとしますが、一度ビックリして驚いた腸が簡単に動くはずもなく……
①腸の動きが良くなったかな~と思ったら流動食&栄養ゼリーへ。
▼
②でもほとんど食べられない、もしくは吐く。
▼
③絶食・点滴へ切り替え。
▼
④体調が良くなったら、①流動食へ戻る▲
これを数日ごとに繰り返した気がします。
重湯の食事に戻ってきたのは、手術を行ってから10日目でした。
手術から8日目ほどで、ふと体が軽くなるのを感じた
大きな手術を行った方ならわかるかもしれませんが……
不意になんとなく、体が軽くなったなと思う瞬間がありました。
それが手術を行ってから8日目のことです。
次は15日目に、また少し体が軽くなっているのがわかりました。
手術を行ったのが金曜日だったので、毎週土曜日に変化が来ている感じでしたね。
それは退院してからも続いて、しばらく感じていました。
基本的に悪い部分は手術ですべて取りましたし、傷も少しずつ塞がってきています。
過剰な運動などしなければ傷が開くこともないので、肉体としては回復してきているのでしょうね。
なので、最終的な目標は腸閉塞にならないようにすること。
重湯やおかゆだけでなく、通常の白ご飯や食パンと普通のおかずを食べられるようになることが、退院の条件となりました。
私個人としても、おかずだけでも早く形あるものに変えたかった。
ペースト状のトマトシチューや魚の味噌煮、かぼちゃの煮付け……等々。
味はそのものだとしても、見た目のせいで美味しく感じません(>_<)
料理は味が良ければ大丈夫だと思っていましたが、やはり見た目も大事なんだなと改めて気づきました……
でも、ペースト状のおかずが出るのは、まだマシなほうです。
少しずつでも治療が進んでいる証拠。
重湯と具のないお吸い物と、高カロリーと書かれた医療用(?)ゼリーだけ。
写真の食事が出る前は、そんな食事のときもありました。
まぁ、点滴でカロリー投与されるくらいなら、水っぽいものでもいいので口に入れられるだけでもまだマシではありますけども。
それに早く退院したかったという本音もあります。
大動脈解離から復帰できたとはいえ、hiroさんの体調のことが心配でしたし、5匹になった我が家のネコ様たちのことも心配でした。
その5匹の世話をhiroさんに押しつけてしまってますしね(>_<)
そのため一生懸命マズい漢方薬をかかさず飲み、さらに1時間ごとに病棟の廊下を歩くように心がけました。
担当医から「腸を動かすためにできるだけ、歩いてくださいね」という指示も受けていたためです。
その甲斐あってか、5月16日に撮影したレントゲン結果で、腸の動きもだいぶマシになっていると言われてホッとしました。
しかし肺に水が溜まっているとも指摘を受けて、その日に水を抜く施術を行うことに。
手術をした人は水が体内に溜まりやすいのだそうです。
なので、術後に水を排出する管を体へ入れているのですが、どうしても溜まるのだとか。
急遽、背中へ局部麻酔をして、右の脇の上のほうから水を抜かれました。
けっこう大きめの注射器でしたので、200cc以上吸い上げたみたいです。
局部麻酔をされているので、針が刺さっている部分は痛くはなかったのですが……
なぜか右肩から頭のほうへ引きつるような痛みがあり、注射器を引っ張るたびに強い痛みが襲いました。
なんでかわかりませんが、神経が繋がっていたのかもしれませんね。
頭に麻酔するわけにもいかないので我慢しました(^◇^;)
ですが、レントゲン結果が良かったおかげで絶食は終了。
でも食事量が増えるまでは、カロリー摂取のための点滴は継続。
それが5月17日。術後から11日目のことでした。
重湯と栄養系のゼリーやドリンクではなく、三分粥にペースト状になったおかずへ。
さらに三分粥へと以降しつつ、まだペースト状のおかずのまま。
それが五分粥、翌日には全粥へ。
おかずも形あるものへと変化しました。
翌日になって、昼ご飯から普通のごはんとおかずへと変化。
吐くこともなく、残さず食べられるようになったことで、「退院」の言葉がようやく先生方の口から出てきました。
退院後の話が出るのと同時に、次の治療の話も出始める
そして退院が間近になってくると、これからの抗がん剤治療や、リンパ節を切除したことによるリスクなどの話が出てくるようになりました。
ステージ1cとはいえ、抗がん剤治療は必要なのかぁと、少し落ち込みました。
抗がん剤って、あまり良いイメージがないですし、事実苦しかったので。
でもがんが残るよりはマシなので、がんばったほうがいいかなぁとは思っていました。
そして私が入院した病院の近くには、大きな神社があります。
なので、
絶対に神様へ抗がん剤治療のことをお願いするぞ!(๑•̀ㅂ•́)و✧
……とか、変な誓いを立ててしまいましたw
またリンパ節を切除すると、リンパ浮腫にかかりやすくなるのだそうです。
足がとてもむくみやすくなります。
それが悪化したり、菌などが入ると蜂窩織炎(ほうかしきえん)になって、別の治療が必要になります。
冊子を渡されたのですが、この蜂窩織炎の画像が怖い怖いコワイヨ(꒪⌑꒪.)!!!
足を毎日マッサージする日々が続いています。
いやぁ、本当に病気になるって大変ですね。
そんなこんなで、無事に治療を終え(?)、5月23日(月)に退院。
入院した日から数えて18日目のことでした。
14日間では退院できませんでしたが、21日間も病院にいることにならなくて良かった、良かった。
まだ一人で歩けない状態だったので、hiroさんに迎えにきてもらいました。
荷物もあったし、本当に助かりました。
このときの私は、もう入院はしたくないわ~~とか思っていました。
抗がん剤治療は通院治療ですとも言われて、ホッとしていましたしね。
……が、
そうは問屋が卸さない。
これから抗がん剤治療で、私は何度も入院する羽目になります。
また体調が良いときに、記録として書きたいと思います^^
最後までお読みくださいまして、ありがとうございました<(_ _)>